つい、マイナーコードで進行しがちな「ガン＝闘病の記録」を、メジャーコードで綴った、貴重かつ画期的な一冊です。病気の進行に沿って刻まれていくリズムに、オシャレというメロディーが乗って迎える死別というサビ。夫婦のデュオがソロになっても、このラヴァーズロックはずっと人の心に残っていくでしょう。

石黒 謙吾（著述家、編集者）

ナオミちゃんが愛しくて、笑いました。笑いながら、号泣しながら、ページをめくりました。本を閉じた瞬間、それまでナオミワールドが広がっていた目の前が一気にからっぽになりました。"生きていくこと"をつきつけられた感覚になりました。もっともっと生きてゆかないと…。もっともっと生きていることを感じないと…。ナオミちゃんとの出会いを、ありがとうございます。

石田 えり（ピアノ表現）

「奇跡の完治」も「号泣必至のドラマチックな場面」もない闘病記。ステージⅣのがんと闘いながらも、おしゃれを愛して自分らしく生きる。そんな自慢の奥さんへの筆者の愛情を、ファッションスナップなどいろんな形で見せつけられます。「オレはこんなに奥さんのこと愛してる」とこれだけのページ数使って語っている本というのも珍しい！

本橋 康治（ライター、編集者）

とても辛い記録の本ではありますが、大切なひとのことを切実に、愛するひとの幸せを願ったり、恋人・家族・親・子どもなどのこと、読むひとそれぞれの「生きてゆく」ことを考えていると思います。そういう意味では、前向きな、贈りものとして受け取ることもできるのではないでしょうか。

薄田 通顕（仙台市 ボタン 店主）

もし自分がこの状況に置かれたらこんな風に生きられるんだろうか...と思いながら読み始めました。最後にはこう生きたい！この状況じゃなかったとしても！今から！となぜか前向きな気持ちになりました。癌の闘病記という過酷な記録とは裏腹に愛に溢れた新しい時代のスタイルブックのような、そんな本でした。

MARCO（フォトグラファー）

私自身、おしゃれにどれだけ背中を押され励まされ楽しませてもらっていることか。本当におしゃれにはとっても大きな力があるんです。ナオミちゃんが、生活を変えずやりたいことをやってステキなものを見て、ずっとファッションを楽しんだのは、全部、一番効くクスリだったはず。かわいくてせつなくて愛おしくって「ギュッ」としたくなる本です。

松尾 たいこ（アーティスト）

夫がどこかにお出かけとなると、携帯のカメラで私の一瞬一瞬を写真に収めようとする。今までは私は照れ臭くて、「やめて～」と止めることが多かったけど、本の中で菊地さんが闘病しながらも可愛らしい表情を見せるナオミさんの姿を写真に残しているのを見ていたら、撮らずにはいられない気持ちがやっと分かり、切なくも愛しい気持ちになりました。

多屋 澄礼（DJ、ジャーナリスト）

ガン患者になってもオシャレを心から楽しんでるナオミさんの姿は「あ、私生きるのを楽しんでいいんだ」って励まされました。それを本当に大変な中貫き通したナオミさんはなんてかっこいいんだろう。(「あとがき」より)

犬山 紙子（イラストエッセイスト）

著者の菊地さんは私にとって事ある度にご縁を感じる方。ナオミさんをご紹介頂いた時の衝撃は忘れられません。オシャカワすぎて。名月荘はそんな彼女に気に入って貰えて光栄です。万人皆いつかその日 はやってきます。今を大切に感じるハートフルな闘病記。

菊池 成湖（かみのやま温泉・名月荘 若女将）

闘病記。ファッション誌。カテゴライズできないこの本。「決めないこと」「整理しないこと」って大事だなと思うことがあります。 がん患者 “ らしい ” 苦しみや、家族 “ らしい ” 悲しみでは片付かない、複雑でリアルで愛らしい1冊。

菅野 麻衣子（画家）