タイの人気作家プラープダー・ユンの、日本で初めてとなるエッセイ集です。「日本はぼくの恋人」と公言し日本ウォッチャーとして知られているプラープダー。日本のカルチャー誌で好評を博してきた連載エッセイを軸に、過去にタイで発表された日本文化レビュー、東京滞在中に書いた日記なども加えて構成されています。
欧米人などによる「ここが変だよ」的なエッセイ類は今や数多く読むことができますが、プラープダーの眼差しはもっとコンテンポラリーで、日本に対する心優しい理解と素直な好奇心を隠していません。アメリカ生活が長い身としての距離感と、親日的なタイからの謙虚で憧れ的な眼差しとがうまく均衡を取ることで、本質的な自己表現としての日本観察記に仕上がっています。これを読む日本人は誰しも「ディスカバー・ジャパン」を迫られ、いつもプラープダーの「座右」にある「日本」を、新鮮な「日本愛」とともに楽しく探訪できることでしょう。
【目次から】
広がりのある狭さ/現代版・悟りを開く方法/ネコ型ロボットの毛/メランコリック・パラダイス/コマーシャルに見る日本/自殺的な思考/ポルノ・ギフト/トラックがすし詰めなら/哀しみの美しさ 他
【訳者について】
吉岡憲彦 Norihiko Yoshioka (国際交流基金職員)
1974年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、国際交流基金に入社。1999年から2004年まで同基金バンコク日本文化センターに勤務し、現地での日本映画祭、展覧会、舞台公演などを担当。帰国して現在は、国際交流基金芸術交流部造形美術課職員。共著に『アジア映画』(作品社)、翻訳書としてプラープダー・ユンの『地球で最後のふたり』(ソニーマガジンズ)などがある。
【刊行概要】
書名
座右の日本
著者
プラープダー・ユン
訳者
吉岡憲彦
カバー装画
伊藤桂司(UFG)
仕様
182×123mm 208ページ/ソフトカバー
税込定価
1,890円
発売日
2008年1月1日
図書コード
ISBN978-4-9903621-2-6 C0098